2006/7/12 JaMEインタビュー

2年以上前のインタビューなんですが。JaME WorldのHYDEインタビュー&Anime Expoレポート記事を読んでみたらなかなかに興味深く、なおかつ和訳を発見できなかったので(どなたか既に上げられてましたらすみません。でもコピペ転載じゃないんでぬるくスルーしてやって下さい)、訳してみようかなと。

2006年7月といえば…。前年夏の10thアルバム「AWAKE」、28thシングル「Link」のリリース、9月の「ASIALIVE 2005」以降はラルクお休み中。でも15周年記念で過去シングルの再リリースが決定、幻となってしまっていた「the Fourth Avenue Cafe」も含んだ15作を8月に発売予定。11月の15周年ラニバの告知はまだ出ていなかった(と思う)。

HYDEは共同プロデューサーとして(後に結婚VAMPSを結成することとなる)K.A.Zを迎えた、ソロ3rdアルバム「FAITH」を4月にリリースし、日本全国のライヴハウスを精力的に回る「HYDE TOUR 2006 FAITH」の真っ最中。ツアー終盤の8月には大阪城ホール横浜アリーナといったキャパの大きな会場での追加公演も決定していた。

…ってな状況だったと思うんですけど、訂正必要でしたら教えてやって下さいまし。(願) VAMPS以前のHYDEの言葉を辿ることで、今後のVAMPS、そしてラルクの海外進出の方向性が見えてくる…かも??

 日本でのツアーの最中でありながらも、Tofu Recordsから6月27日にリリースされたアルバム「FAITH」のプロモーション活動のために時間を作って、HYDEアメリカにやって来た。7月上旬にはカリフォルニアで4日間のLIVEがあり、さらにはAnime Expo開催期間中にTofu Recordsのブースで、アメリカのファンの前に姿を現すスペシャルイベントも予定されていた。

 そのイベントの直前に、HYDEはJaMEのインタビューに応えてくれたのである。この日、サングラスを掛けたHYDEはタンクトップを二枚重ね着した上に、ツートーンのデニムジャケットを羽織り、カーキ色のパンツを合わせたカジュアルなスタイルで姿を現した。

――いらっしゃいませ。お会いできて、光栄に思います。

よろしくお願いします。HYDEです。

――アメリカへようこそ! 戻ってこられて、いかがですか?

今、日本は梅雨なんで…こっちはとても天気がいいですよね。だから、ここに来られて本当に嬉しいです。

――ソロでのアルバムを、アメリカでリリースすることは以前から考えておられたんですか?

はい、もちろん。

――ソロで出された3枚のアルバムには、全て英語の曲名がつけられています。英語で作詞をすることは楽しいですか?

僕がこれまでに聴いてきた音楽は、英語で歌われているものが多かったんですよ。なので、自分の曲の作詞も、英語でしてみようと思って挑戦しました。

――とある曲の歌詞を、英語にするか、それとも日本語にするかというのはどのようにして決められるのですか?

その曲の雰囲気によりますね。でも、英語の詞の方がメロディに乗せやすいので…そうですね、例えば曲のメインの部分には、英語を使うことが多くなります。

――ですが、日本のファンが英語の歌詞の意味を解らないかもしれない、ということについてはいかがお考えですか? また、このアルバム「FAITH」はアメリカでもリリースされている訳なんですが、アメリカのファンには日本語詞の意味が解らない場合も多いと思われます。

うーん…。ま、歌詞がわかって貰えないかも、というのはあるんですけど、それは別に大した問題じゃないと思ってます。ほんと、気にしてないですね。僕が日本語の曲を聴いている時だって、歌詞をわかってない場合もありますし。その辺は、あんまり気にしすぎないようにしています。

――アメリカでは《宗教》を話題にすることに大変気を遣います。《信仰(FAITH)》という言葉は宗教と密接な関連がありますが、どうして今回のアルバムのタイトルを「FAITH」としたのですか?

宗教についてということを、自分で歌にしてみたいと思ったので。だからタイトルもわかりやすく、「FAITH」と付けました。

――ソロの1stアルバムは英国で、そして3rdアルバムの「FAITH」はロサンゼルスでレコーディングされた訳ですが、なぜ海外でのレコーディングを選択されたのですか?

一枚目のアルバムの時は、頼みたかったプロデューサーがイギリスにいたので、そこに行きました。今回、ロスにしたのはサウンドが決め手ですね。LAのハードロックサウンドを取り入れたいなと思ったので、じゃあロスでやるかってことで、アルバムのレコーディングに来ました。

――「COUNTDOWN」はハリウッド映画「ステルス」の日本語版テーマソングになっています。どのようなイメージでこの曲を作られたのですか?

曲作りの時は、まだ映画を全部は観られてなかったんですよね。予告編だけ見てて、全体のストーリーは知らなかった。でも、ジェット機が飛んでいるイメージで作りたいなと思って。この曲で一番伝えたかったことっていうのは、平和です。

――「SEASON'S CALL」では、「夢に描く世界を君の目の前に広げたい」という歌詞があります。HYDEさんが、ご自身の《夢に描く》世界というのは、どんな世界なのでしょうか?

(頑張って日本語の歌詞を読もうとするインタビュアーに微笑みかけながら)平和な世界ですね。僕の人生において大切な人々、僕の愛する人々のことを考えると、その人達に、世界の邪悪な面は見せたくないと思う。だから、それはきっと平和な世界です。

――「FAITH」の中でお気に入りの曲はどれですか?

どれも気に入ってますよ。でも、ひとつ選ぶとしたら「JESUS CHRIST」かな。

――「IT'S SAD」ではなく「MISSION」がアルバムの最後の曲であったなら、文字通りに幸福な使命(MISSION)感を持って聴き終わることができたと思います。どうして「歴史上最悪の生物」と歌った曲を、アルバムの最後に持ってきたのですか?(注:「MISSION」は国境のない理想の世界、音楽が皆を調和へ導くという世界を描いた歌)

今言ったみたいに、最後の2曲の順番を入れ替えたら、完璧な並びになって、安心できると思うんですよ。でも、それじゃあまりに平凡なんで。このアルバムには棘を含ませたいなと思っていたし、聴いた人に、それに気付いてほしかった。嘘をつきたくもなかったんで、現実の世界の姿を示すためにも、「IT'S SAD」を最後にしました。

――アメリカでのLIVEはどういったものになりそうですか?

これまでにたくさんアメリカの音楽を聴いてきたし、色んなLIVEの映像を見てきました。僕が味わったような、そんなパワーに溢れたLIVEにできたら、と思いますね。

――ヒロシマでのLIVEの後、すぐに米国公演を行うということについてはどう感じられていますか?

広島にいた時は、アメリカ公演についてあれこれ考えていたけど…(黙り込む)そうですね、僕が言えることっていうのは、ただ…それは…重たい気持ちでしたね。

――どうして背中に、天使の羽のタトゥーを入れられたのですか?

僕はね、天使になりたいと思っていたんですよ(一同、爆笑)

――でも、《666》もお好きですよね?

人間、持ってないものが欲しくなるじゃないですか。僕は何か、自分が持っていないものが欲しかったので、天使になれるように羽を持つことにしたんです。

――JaMEの設立者は、息子の名前をHYDEさんから取ってHydeと名付けました。彼に何かメッセージはありますか?

息子さんはきっと、天使みたいになりますよ!

――最後になりましたが、アメリカのファンに何か一言、お願いします。

今はツアーの途中でアメリカにやってきてますが、ある意味、これがファイナルのような気分もしています。アメリカでのLIVEが成功するかどうかというのは、僕にとっての挑戦で、そして、とてもわくわくしてます。

――お時間を頂き、どうもありがとうございました。

はい、どうも。ありがとうございました。

そうか、欧米人なら人名でハイドもありか…と思うと、ちょっとうらやましいような? 天使とかいう話をさらっと答えるHYDE氏はさすがですな。後半のQ&Aセッションの方はこちらです。

後日に気付いたんですが、HYDEはこのFAITH TOURの途上で長崎と広島と、原爆資料館に寄ってたんですね…渡米直前に、まさにヒロシマを認識し直してからアメリカへ。私は彼の、こういうところも偉大だと思っています。