2008/10/20 VAMPARK Zepp Tokyo

待たされすぎて疲れた、という言葉が、VAMPARK東京一日目への第一の感想として出てくるのはいかがなものだろう。



会場到着は9:40(大阪からの始発の新幹線を利用)、3回目のチケット購入が出来たのが14:30、会場に入れたのが17:20、Zepp Tokyoを離れて電車に乗れたのが18:30。ゆうに9時間弱、秋のお台場にいた訳だ。しかもその時間の大半は何が出来るでもなく、(単なる私的事情なのだが)時差ボケと早起きでやや眠い頭を抱えながら、コンクリートの上で少し肌寒い潮風に吹かれ、ただひたすらに待ちぼうけである。



朝昼には青空に映えるなぁと写真を撮る余裕のあった大観覧車(オレンジと緑の間の一台が、10/28付Ju-kenブログでも触れられていたスケルトン観覧車である。乗っていないが)も、夕刻、ライトアップを始める段になってはもはやげんなりとした気分で眺めてしまう。3回目は16時半という予告であったにもかかわらず、17時台になっても未だ会場内に入れない。ふと視線を上向けて、光りだしたぜなどとこっそり毒づく私に、夕刻の観覧車の写真を撮る心の余裕などあろう筈もなかった。

何が原因であのような事態になったのかを知る術はこちらにはない。だが、もし今後もこのような企画が催されるのであれば、チケットの購入方法や待機方法の改善を、主催者側に強く訴えたいと思う。

…などと書いて公式サイトを見に行ってみたところ、23日のVAMPARK東京ではあれこれと違う入場手法が取られていたらしいことを発見した。20日の混乱は、主催者側の予想を超える事態でもあったのだろう。ともかく、恨む気も文句を言う気もないのだが、せっかく朝早くから並び、暴動を起こすようなこともなく長時間待ち続けている忠実なFanを、会場前で8時間あるいはそれ以上も留め置くという待機のシステムが、妥当だとも有効だとも思えないので、せめて今回、10月20日Zepp Tokyoで起こったことが、以後の同様イベント開催時の指針となれば幸いである。

さて、いよいよZeppの入口をくぐれた。「VAMPSさん江」の花は雑誌各社やGacktGLAYからも届いていた。来場記念のタンブラーはすぐに引き換えというか、入ったところすぐで白い箱を手渡された。入場料2000円に込みのワンドリンクのコインも同じところで貰った(ような気がする)。

とにかく疲れた、まずは酒だ酒と、ドリンクカウンターに向かった駄目な大人がそこで発見したのは「本日は主催者側の意向により、アルコール類の提供はありません」というような張り紙。……いや、VAMPARKは昼間からのイベントである筈だし、未成年者の来場も多いだろうから、当然と言えば当然なのだが…いやが上にも積み重なる敗北感。大人しくウーロン茶のペットボトルに引き換えておいた。

ドリンクカウンターと逆側の入場口に向かおうとして、途中のガチャガチャコーナーで見事に足留めを喰らう。ガチャガチャ200円では黄色とピンクのVAMPSロゴ入りの、ちょっとポップなデザインのピックを手に入れた。ガチャガチャ500円はハンカチかバッグが欲しいと挑んだのだが、出てきたのはピンク×紫なVAMPSスタンダードカラーにドクロマークのあしらわれたゴム製ストラップだった。ちなみにリベンジを期して、ガチャガチャ500円には以後の2日間も挑戦したのだが、結果はバッヂとスーパーボールに終わった。

ようやくゲーム券の列に並ぶ。こういったゲーム類の腕にはまったく自信がないのだが、来た以上どれかひとつは体験しようと、ダーツに一回挑戦することに。ガチャガチャ類も含め、全て運試しとばかりに一日一回きりしか挑戦していない。それでも会場を出る時には、財布に残っていたのが千円札一枚で、なんともうすら寒い思いをしたのであるが。

扉を抜けて、いよいよ場内。初のZepp Tokyo、そしてVAMPS LIVE未参戦で「凝った内装をしている」との噂だけを目にしていた私の、VAMPARK会場のぱっと見の印象は「あ、Zeppだ」……もう少し気の利いたことは思えなかったのだろうか。装飾と照明のせいか、全体的に赤っぽい。フロアに黒いバーが立ち並ぶ辺りは(撤去できないだろう)、実にライヴハウスであり、そこにPCでぺらっと打ち出したような各ゲーム案内等の紙がセロテープで留めてあるというお手軽感は、どこか高校の文化祭を思い出させる。

列が長くならないうちにと、まずは前方のステージ写真撮影1500円に向かう。舞台右手、ステージに上がる前には姿見が置いてあり、なるほどこれでポーズなどの確認をして行けということなのだろう。順番待ち中にスタッフに尋ねたところ、立ち位置は固定だそうで(中央にT字テープが貼ってあるとのこと)、さすがにマイクスタンドを持ったり、ドラムセットに座る訳には行かなかった。残念。

上がって写真を撮るまではあまり周りを見る余裕がなかったのだが、撮り終えた後、はたとVAMPSと同じステージに上がっていることに気付く。逆方向の階段を降りるまではゆっくりと歩き、じっくりとステージと会場を見渡す。赤く光る、バーのネオンサインのような《Vamps》ロゴが掲げられていたり、JINの檻やJu-kenの人形がすぐそこにあったりして不思議な気分だ。ライヴハウスのフロアにいて思っていたよりも、なるほど上から眺めると、ずいぶんと会場は小さく見える。照明が明るいせいもあるのだろうが、後方までよく見渡せる。これがHYDEK.A.Zの見ている景色か、と、感慨を覚えながらステージを降りた。

写真は出来上がりに15分は掛かるということで(申し込み時に貰った控えの紙との引き換え)、ゲームコーナーに行き、ダーツに挑戦。親切にも事前練習をさせてくれて、本番でも35点くらいは行けたのだが、景品が貰えるのは75点以上ということなので致し方ない。

VAMPARK、私はゲームや景品よりもむしろ「会場内やステージをじっくりと眺められる」というところに価値を置いていたので、以後はフロアを歩き回って、壁のデコレーション等を鑑賞。どうやら白っぽいレンガ模様のパネルがフロアにぐるりと張り巡らせてあるらしく、Zepp本来の壁は見えない。レンガ模様はところどころはがれていたり、上にカラースプレーで、メンバーの名前や「LOVE ADDICT」、「666」といった《VAMPS的な》言葉のストリートアートが描かれている。LAの路地裏にいるかのような雰囲気。

だが、上を見上げると左右両方の2F関係者席ゾーンの下には、ドレープをたっぷりと取った緋色の布を留めた黄金色の燭台(無論、ロウソクは電球だ)があり、パリのオペラ座の内部のようだ。ステージの後方には同様の壁の装飾と、上部が半円になった長方形の大きな窓枠が二つあり、その下には曲がった角を持つ獣の頭骨が意味ありげに提げられている。まるで、屋内と屋外が奇妙に混在したかのような空間。この空間のゆらぎについてはLIVE中に感じたことがあるので、以後の記事で取り上げたいと思う。

そうこうしているうちにステージ写真も出来上がる時間となったので、受け取ってさっさと場内から出る。そこでポステル(400円のガチャガチャポスター版)の存在に気付き、これもふらふらとコインを投入。出てきたポスターは青っぽい写真で、バーのようなところに座るHYDEK.A.Zと、後ろに何人かの人物というもの。ご存知のようにHYDEIST上等な私ではあるが、今回は本人写真ならば2人が一緒にいるものが希望で、そうでなければ本人達のいないイラストものが欲しいと思っていたので、この結果には満足している。

やりたかったことを一通り体験した後は、入れ替えのアナウンスもないうちに18時過ぎにさっさと退場。朝からゆうに8時間は並んだ割に、会場内での滞在時間は1時間を切っていたと思う。だが晩には友人との待ち合わせがあったし、何よりも早く他の場所に行きたい気分だったのだ。

もちろん主催者側には知ったことではないのだろうが、私にとってはこの日は貴重な日本での滞在時間であり、VAMPARK以外の予定もこなすつもりだった。こうだと知っていれば、おそらく行かなかっただろう。だが、誰もこうだとは知らなかったところに、この悲劇的あるいは喜劇的事態の原因があるように思われる。繰り返しになるが、以後はこのようなことが起こらぬよう、強く願うものである。

――蛇足であるが、20日から22日にかけてはZepp Tokyo最寄りのコンビニ、ビーナスフォートampmではいつ入ってもBGMがラルクの曲(しかもアルバムを掛けているようだ)だった。ファンサービスと言えるような、少し方向性が違うような…。