L'7パリ参戦記・後編

当日の模様と後日談を、写真を中心に。前編中編もあわせてお目通し頂ければ幸いである。

2008年5月9日、金曜日

記念すべき日が遂にやってきた。会場に早く行って並ぶという選択肢もあるにはあったが、せっかく遥々パリに来たのであるしということで、日中はパリ観光を楽しむことに。観光の情報収集には、ふらつーこと「フランス・ツーリズム旅行情報局」にお世話になった。

滞在中のパリ市内の移動にはメトロ、バス等の乗り放題券、パリ・ヴィジットParis Visite(1〜3ゾーン)を利用。2日券で14ユーロ、'07-'08版の「地球の歩き方」記載情報より値上がりしているようだった。



凱旋門シャンゼリゼ側より。この日の朝も実に好天。雲ひとつないヨーロッパの青空に、威風堂々たる門と、その中央に翻る大きな三色旗がよく映えていた。



MCでhydeは「エスカルゴ食ったかー!?」などと言うのではないかと予想していたので(※見事に外した)、昼に立ち寄ったカルチェ・ラタン近くのレストランでエスカルゴ。メインの肉料理+デザート込みのランチセットで10ユーロ強。

と、昼過ぎまでは晴天で気温も上がっていったが、午後は段々と薄曇に。歩きやすくなってくれて、むしろ助かったのだが。

METRO57

会場である「Le Zenith de Paris」への移動を考え出した時の、最寄りメトロ駅が7番線であったので、会場の北に位置する駅「Porte de la Villette(ポルト・ド・ラ・ヴィレット)」を目指すことに。5番線の「Porte de Pantin(ポルト・ド・パンタン)」の方がメインで利用されていそうではあったが、地図を見たところ、どちらからもそう距離は変わらない。歩きで行けるだろうとの目論見の元、メトロに揺られて駅へと向かう。

さて、ある程度以上の規模のLIVE参戦の場合、初めて行く土地であれ、最寄り駅を降りたら同志と思しき姿は見つかるので、流れに身を任せていれば会場に辿り着けるというのが私の経験則であった。だが…開場予定の約一時間前、17時過ぎに「Porte de la Villette」で同じメトロを降りた人間は、私と連れの友人を除けば、なんとラルクとはまったく関係なさそうな中年男性三人のみ。どうしたものか、と思いながら地上に上がる。「La Villetteはあちら」というような表示は見つかったものの、(無論)彼らは違う方向へと歩き去ってしまい…自力で会場に辿り着くしかなさそうである。



駅前に広がる、パリには見えないこの風景。東京の臨海副都心と言われても信じてしまいそうだ。しかも金曜の夕方という時間帯からか、辺りは閑散としている。LIVE会場のようなものはまったく見えないし、気配すらない…。

Show me the way!

地球の歩き方」の広域地図を参考に、おそらくあちらだという方向を目指して歩き出す。見えてくるものといえば駐車場の裏手やら、道の横に立ちはだかる、長く続く塀やら…あまりパリだとは思えない風景ばかり。歩道の横を車は通り過ぎて行くものの、自分達以外に通行人の姿はなく、本当にこちらで良いのかと、疑いながらも歩くより他に術もないのでともかく進んでみる。と――



細い川を越えた向こうにそれらしきものが! ツアートラックのような大きな車が並んでおり、さらに近づくと、スタッフTシャツと思しきものを着込んだ日本人&フランス人らしき人々の姿も見えた。つまりこれは、なんというか…見事に《裏手》からアプローチしてしまったのだろうと。安堵を覚え、正面の方を目指して歩き続ける。

待機…列ではなく

到着時刻は17時半過ぎ。人はいるのか? 待っているのか? 日本人ばかりがいたりして?? …などと、今にして思えばかなり失礼なことを予想しつつ、近づいてみたらそこには人波があった。



ぬるい想像をしていてすいません、ラルク、と心の中で手を合わせて頭を下げる。外国人オーディエンスもたくさんで、ゴスロリ等気合の入った格好をしている人々も散見されながら、圧倒的多数は《普通の》ヨーロッパ人に見えた。



こちらはおそらく、スタンディングの待機場所。ぎっしりと人が詰まっていた。奥に見えるロゴの下が会場の入口になる。

この近くで、熱烈な欧州Fanの集団が声を揃えてラルクの曲を歌っている様子には驚かされた。私達が側を通った時には「the Fourth Avenue Cafe」を合唱しており、歌詞は正しく、発音も綺麗。思わず拍手を送ってみる。



列、と呼べるようなものは形成されていなかったので(それはおそらく欧州クオリティ…)、入場ゲート付近で待機するかと、適当に人波の中に紛れてみる。上の窓には時折、ちらちらと人影が。スタッフだろうか。ちなみに足元にはお菓子の袋やペットボトル、トランプなどが散乱しており、長時間待っていたFanがいたのだと感じることは出来たが…カード、持って行かなくても良かったのだろうか。つい気になってしまう。

日本からのツアー、《Tour de France》の人々も側を通り過ぎて行った。どうやら専用入口を利用するらしく、スーツ姿の旅行会社の添乗員が「L'Arc-en-Ciel・Tour de France X号車」という風に書かれた紙を掲げ、先導していた。この人波の中で、スーツを着ていたのは日本の添乗員各氏だけであったと思う。フランスの係員は主にTシャツやポロシャツ姿で、この辺り、実に日本的だなぁとしみじみ感じ入ってしまった。

人波に埋もれた状態であった私からはよくは見えなかったが、待機集団に向かってカメラが回ることもあり(TVの取材とDVD用?)、その度に群集は大騒ぎであった。また、開場予定時刻であった18時に合わせて先頭集団がカウントダウンをし、大きな拍手と歓声がわきあがるなど、開始前から非常に熱い!

結局、入場が開始されたのは、18時40分を過ぎた頃だっただろうか。前述のように列はないので、じりじりと待ちながら行ける時に詰めて進む、という感じ。



入場ゲートの近くにて。説明はフランス語、英語、日本語と並ぶのが基本らしく、非常にありがたい。名前の記載されたチケットのプリントアウトを友人に渡し、自分はパスポートをすぐ見せられるように準備する。ゲートの係員の前に着くと、指でVを作りながら「ドゥ!」と二人を指し示し、パスポートとチケットを見せると、すぐに通してくれた。現地語で簡単な数字を言えるようにしておくと、何かと便利である。

会場内四方山話

19時過ぎに入場ゲートを通過し、進んで行くと銀色の幌に包まれたような外観をした会場が見えてきた。入口でバーコードをスキャンされる。中に入り、急な階段を上がってスタンド席へ入る前には再度、チケットの確認があった。

良さそうな席を探し当て、荷物を置くとグッズ購入へ。雰囲気としては、日本の会場内のグッズ販売のような感じだろうか。広い通路内のあちこちに小さなカウンターがあり、販売グッズが壁に掛けて展示してある。ここも列があるような、ないような…微妙な状態ではあったが、中の係員氏に声を掛けて貰った時に「One book and this T-Shirts, S, one, please!」と、指差しながらの主張で(身振り手振りも重要だ)パンフレットとツアーTシャツ合計55ユーロを即GET。グッズを入れて貰った、スーパーの袋のような薄いビニール袋は、果たしてすぐ破けてしまう代物だった。

通路の間に佇む、係員のお姉さんの黒×赤のミニのワンピースの制服がスタイリッシュでとても素敵だった。しかも無論、着ているのはフランス美女ばかり…と、思わず挙動不審になりながら、ひっそりと連れと喜んでみる。

客席が埋まってくると、声を上げて期待を高める観衆。「ラルクアンシエル!」コールと手拍子はともかく、足踏みの発想はこちらにはなかった。新しい。これはこれで迫力を出せるし、盛り上げられると思ったが、

大阪ドームでこれやったら、今度こそ締め出しくらうやろな」

とツッコミを入れてしまうところが、関西人Fanのサガというものであろうか。

見慣れたはずのあの風景

そして、終演後。



ぶれてしまったが、いっそ人物の顔がはっきり写っていない写真の方が良いような気もするので、22時半過ぎの会場外の模様を。さすがに日はすっかり暮れて、月も晴れた夜空に輝いていた。



緑にライトアップされていた公園の一角。左手前に佇む青年のTシャツ…。



会場外で販売されていた非公式グッズ・両面ポスター1ユーロ也。どこかで見たようなアーティスト写真(L'7告知と、SMILE時に見かけたものであった気が)。ヨーロッパでもこういうのはあるのか…と、奇妙なデジャ・ヴを感じてしまう。もちろん買わずに眺めただけではあるが、欧州Fanと思しき人々はたくさん買っていた。気持ちはわかるのだが…この辺りは、主催側の今後の対応に期待したい。しかしポスターに《VISUAL-KEI》と書いてあったのは、こちらの目にはいっそ、体を張ったギャグにしか見えなかった。



ホテルに生還後、戦利品を記念撮影!

愛を示せ 今すぐ

翌日の5月10日も大人しくパリ観光。浮かれて早速Tシャツを着てみる。しかしパリの各所でL'7のTシャツ姿な同志(しかも外国人ばかり)とすれ違い、嬉しいやら恥ずかしいやら。日本でLIVEの翌日に、街中でツアーTシャツを着た人を見かけたことはなかったのだが…。



翌日の夕刻に訪れてみたエッフェル塔、時刻はこれで20時前。周囲の人の多さに、入場は諦めて遠くから眺めたのみ。あまりにも有名すぎるパリのアイコン。



エッフェル塔向かいのトロカデロ庭園にあったカルーセル。「『Blurry Eyes』だ!」と喜んでしまったのは、ラルクFanの基本だと思いたい。